みなさんはじめまして。
陰glish BLOGです。
どんな人間なのかは
以下のスペックをご覧ください。
[スペック]
・アラサー
・無職
・英検1級/TOEIC990
・元学校教員/元塾講師
・海外経験一切ゼロ。パスポート持ったこともない。
・友達はもちろん少ない。
要するに、英語ができる日陰者です。よろしければ、Twitterもフォローお願いします。
さて、モノホンの無職になりましてからの初レビューです。
はじめましての方はこれから、いつもよろしくしている方は、今後もよろしくお願いいたします。
今回は、ワタクシめが読んでいる中で、「そう、これでいいんだよ！！！！」と電撃が走った学習書であるところの、『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』に関して、レビューを書かさせて頂ければという所存です。
テキスト(物理)としては廃盤なのですが、初回30日無料・月額980円のKindleunlimitedから読み放題となっているので、そちらへのリンクを貼らせて頂きます。
Contents
大前提として、「今の一般的英語学習者」にナニが起きてんのか
『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』そのもののレビューに入る前に、その前提として、私の危機意識を共有させて頂くことをお許しください。
そして、たぶん、前提部分の方が長いんですよ。お許しくださいませ。
まあいきなり具体例なんですが、こういう英文法の問題があるじゃないですか。
He doesn't know when Tom ( ) .
①will come ②comes
んで、以下みたいな感じの解説が付いていると。
「時を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形を用いるが、本問では、whenはknowの目的語となる名詞節を作っている。この場合はwillを用いてよい。答えは①。」
こんな英文解釈の問題と解説もよくありますよね。
How we view things is affected by our experiences.
Howが作る節はどこまでかと考えながら読み、1つの節にはVは1つなので、isが見えた瞬間にこれを文中のVと確定し、そこまでが名詞節を作り、大きな主語であったのだなと確信する。
とくに何の変哲もない問題と、その解説ですね。では、これに一工夫を加えてみましょう。
「時を表す●●●●の中では、未来のことでも現在形を用いるが、本問では、whenはknowの ●●●● となる ●●●● を作っている。この場合はwillを用いてよい。答えは①。」
「Howが作る ●●●● はどこまでかと考えながら読み、1つの ●●●● には ●●●● は1つなので、isが見えた瞬間にこれを文中の ●●●● と確定し、そこまでが ●●●● を作り、大きな ●●●● であったのだなと確信する。」
はい。この虫食い解説って、分かるわけないじゃないですか？ 分かるわけないですよね？ 俺の感性が間違っているわけじゃないですよね？
でも、これが、案外と少なくない数の現役高校生、浪人生の頭の中で、実際に起こっていることです。
どういうことかっていうのを、端的にまとめると
「副詞」とか「節」とか「目的語」とか「第四文型」、そういう言葉がホントは分かんないままに、そういう言葉を振り回している教材を、そこに書いてある解説の意味が分かりもしないままに勉強(???)してしまう。
こんなことが、ありふれている。
それが、今、教育現場、というよりは、造語ですが「学習現場」で、同時多発発生している出来事なのです。
「どうしてそんなことが起きてしまっているのか」も、今の中学英語とか文科省のザマと絡めながら熱く語れるのですが、こちらでは割愛します。
(※備考:たまーに、中学スタート一般的英語学習者でも「品詞？文型？なにそれ？」みたいな状態のまま、マジで暴力的にネ〇ステを周回したり、英文を暴力的に読んだり聞いたりして、量から帰納的に身に着けた「感覚」でそれなりに英語がなんとかなっちゃう人もいる。
それこそ早稲田とかにも。なんなら、昔の俺だってそうだった。
でもね、それは、ミンナができるわけではないのだよ。こういう層が自分を一般化して偉そうに教育を語るから、悲劇が起きるんだよ。)
これが「大きな絶望である」ということを強調したい
以上、「そんな人もいるんだね～」と切り捨てるには、あまりにも大きな悲劇であると、私個人としては思っております。
多少フェイクを入れますが、具体的な事象に落とし込みましょう。
仮定法if省略倒置が使われている文法四択問題が解けるのに、giveを第四文型で使っている基本的な英文が書けないし読めない。
本人なりに危機感を持ってネク〇テ〇ジを4周5周と勉強しているのに、解説の意味が分かっていないから、もはや「文法力」さえついていない。
英文が読めないからと、巷で評判のいい教材を買って、英文にSVOCを振って和訳を書いてみる「英文解釈」をやってみているが、「そもそも何のためにSVOCを振っているのか」が分かっていない。
努力しようという意思はあるのに、努力の方向性が間違っているので、結果として、ただただ時間を浪費しているだけ。
久々に登場する概念なのですが、私は、そんなことをやっちゃう方々を「悲しきモンスター」と呼んでおります。
そして、「悲しきモンスター」なんて揶揄しながらも、でもそういう層を助けたいから、今年度無職になってまでこんなことやってるってのは、本心のつもりです。
救われなきゃいけない人ほど、救われにくい
そんな、「悲しきモンスター」の方々なのですが、実際のところ
「品詞とか文型とかの用語はこの先、大切なんだよ～」ってのは、学校かどこかで、実は一度は教わっているケースの方が多いんですよ。
なんなら、みなさまが使っている教材の「はじめに」にさえ、「品詞と文型はすべての基礎です。」って、書いてあったりする。
ただね、普通に教わるだけじゃ、人間は動かない。そして、そのことを自己責任にしてはいけない。
そうなんですよ、上記、「一回は教わってる」という事実を踏まえると、発想として「え、じゃあ？『品詞、文型』みたいな根本的な要素を蔑ろにして勉強してんのって、自己責任なんじゃねえの？」って方に行きがちです。
なんなら、昔の私でさえそうだった。
ただ、人間の特性として、「実際のところ、タダの正論では全く動かない」ってものがあります。
例えば
「運動不足なんですね！！！明日から1時間走りましょう！！！！」とか
「次のTOEICで高得点を取りたいのですね！では、明日から8時間勉強しましょう！！！」とか
ここに書かれて、明日からその通りに行動する読者さまはいらっしゃるでしょうか？
いないですよね？
それと同じ。
人間は、自分の不足を突き付けられるのは、誰しも気持ちよくない。
だからこそ、英語の基本概念を無視して虚無な学習をしてしまっている、本当に救われなければいけない方々にこそ
「品詞とか文型とかの基本用語、ちゃんとやんないと、その先の勉強終わるから！！！！ちゃんとやって！！！！！！」
みたいな言葉は、届かないんですよ。
そして、それは、「人間の特性」であるからこそ、自己責任で切り捨てちゃいけない。誰かが助けなきゃいけない。
Attractiveに、Funnyに、Interestingに
じゃあどうやったら、「悲しきモンスター」って層に、届けるべきメッセージを届けることができるのか。
これ、シンプルといえばシンプルなんですよね。
「キミはこのままじゃヤバイ。これをやらなきゃいけない。」
確かに正論ではあるが、でも負の方向を強調している、こういうメッセージ。
それじゃ届かないことであれば、正の方向にそれを強調してやればいい。
言っちゃえば「品詞と文型みたいな基本用語を身に付けることが、どれだけ、キミにとって、魅力的で楽しくてうれしいことなのか」を、指導者が、認識させてやればいい。
魅せてやればいい。
あったり前なんですが、人間は、自分にとって魅力的で楽しくてうれしいことなんか、放っておいてもちゃんとやるので。
そして、私は、イキっちゃいますが、そういう方向に持っていくトークができるんですよね。
ただ、気付いてしまった。私1人ができても、世の人間は救われない。さあ、どうすればいい？
ある日
ある日、布団で寝っ転がり「Kindle Unlimitedって紹介による報酬まあまあデカいんだよね～。なんかいい本ないかな～(こういう心理は隠す方がいやらしいので定期的にアピっちゃいます)」
と思いながら、いろいろ、テキトーに読み漁っていたんですよね。
そして、これを見つけたと。
え、これじゃん！！！！！！！！
仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義って、どんな本?
ここまで、長い長い、導入でした。やっと本題です。お付き合いくださいませ。
『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』は、駿台予備学校などを経て、代ゼミで長年、英文法のエースを張ってる、仲本浩喜先生による著作でございます。
どんな本なのか紹介するために、ちょっと一回、Amazonの本紹介の文章をそのままお借りしましょうか。
すべての英文法オンチに捧ぐ！
「わかったつもり（……でもちょっとアヤシイ）」だった英文法が、クッキリハッキリわかるようになる。
グングン読める、わかりやすくておもしろい誌上講義！
たいていの人は、英文法を「ひと通り勉強してきた」はず。
それなのに、いまだに英文法が「わかった！」と言えないのはなぜでしょう？
それはあなたが、「文の成り立ち」を理解できていないから。(中略)
この本が他の文法書と大きく違うのは、文の成り立ちだけを丁寧に解説しているところです。
基本的な文法の知識についても、本当に必要なものだけを、これ以上ないほどわかりやすく説明しています。
この1冊で、あなたの英語力に革命を起こしませんか？
Make miracle！
『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』Amazon販売ページより引用。2023/04/01
こちら、一緒に確認しましょう。
・軽いノリで、面白おかしく
・「一通り英文法を勉強してきた」のに「英文法オンチ」な人間を対象に
・「文の成り立ち」や「基本的な文法」について
しっかりと解説している本である、ということが分かると思います。
はい。私が上で述べていた危機意識に、ドンピシャバッチリ被ってくること、分かっていただけるでしょうか？
上に書いてある自らの言葉ですが、もう一度引っ張ってこさせていただきます。
できない子にほど 「品詞と文型みたいな基本用語を身に付けることが、どれだけ、キミにとって、魅力的で楽しくてうれしいことなのか」 を「魅」せてあげなきゃいけない。
そして、 『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』は、まさに上記「 」の内容と、全くおんなじことをやっている本なのです。
中身を実際にちょっと見てみよう。
論より証拠。中身の文言を、何個か、あえてそのまま引っ張ってこさせていただきます。
「品詞の勉強をしたって、品詞で瀕死(T_T)状態になることはなく、かえってコストパフォーマンスが上がるのだ、と強調したいのです。それでは、いったい何のために私たちは「品詞」を学ぶ必要があるのでしょうか？」
■英語の形はサッカーのルールと同じ
(中略)各ポジションの名称や働き、戦術についてしっかりとした知識を持っている方が、数倍楽しめるはずです。
英語の形である文型、そして句と節をマスターするさいに、「品詞」という概念を身につけておくと、すごーく楽になるんです。
…...英語は語順が命！ (中略)
Meg gave a dog the boy.
...とやってしまうと、どんなに非人道的あるいはメルヘンチック(？)であっても、「メグは犬にその少年を与えた」という以外の読み方は不可能なのです。
終始、こんなノリです(笑)
面白おかしく、時にふざけながら、でも「基礎」の重要性をひたすらに強調していく。
時に、骨幹でない枝葉の部分を、大胆に捨象しながら。(※仲本先生はあらゆる意味で「マジで分かっている」からこそ、これができるんだろうなと、心から思います。普遍文法のこととかも書きたいんだけど、それこそこの記事では捨象します。お許しを。)
たぶん、真面目にコツコツ勉強してて、特に英語にメチャクチャ困ったこともなければ、「指導者」の立場に立ったこともない。
そんな人には、 『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』 は、別に全く刺さらないでしょう。
Amazonレビューにも、そんな感じの人なんだろうな、って方からの低評価レビューが散見されます。
でも、私には、そんな感じの方が自己責任だと切り捨ててしまうであろう、ありふれた青年の姿が見えるのです。
サッカー部を引退してから、ガムシャラに〇ク〇テ〇ジを勉強するも、ちっとも成績が上がらずに、もがき苦しんでいる青年の姿が。
そして、そんな青年に、サッカーの例とメグと犬の第四文型の例を、面白可笑しく2人で語ることができる指導者がいれば、未来は全く変わるであろうことが。
だから私は、この記事のタイトルで強調させていただきました。
指導者こそ読みましょう。
学校の先生も。集団授業塾の先生も。個別指導塾の先生も。本業でやっている先生も、アルバイトでやってる先生も。
人間を救うために。
余談として、嘘じゃなくてマジで、「品詞トーク」と「第四文型トーク」に関して、もともと持ってたワタシのトークとほぼ同じだったんですよね。。。
仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義の悪いトコロ
「ノリが軽い」は、そういう本なんで、割愛します。料理本買って「料理のことなんか興味ない！！！」って怒ってたら、ナゾでしょ。
両論併記がモットー。これ、行きましょう。
最大最高最強の欠点:
Kindleunlimitedにしかねえ
まず大前提。Kindleunlimitedはスゴいサービスです。時代はここまで来たかって思いました。
月額980円。初回であれば30日無料。
超絶大量の本漫画が読み放題。
『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』を読むだけであれば、ぶっちゃけちゃうと、確実にタダでいけます。
でも、 Kindleunlimitedにしかないってことは、「学習者」目線で、その魅力を享受するには
① 『仲本の「壁」を突破する
英文法完全速習講義』 が
たまたま刺さる学習者が
たまたまKindleunlimitedに登録している。
②たまたま玉石混交の読み放題教材の中から
『仲本の「壁」を突破する
英文法完全速習講義』
を発見する。
③ぶっちゃけ、無料・読み放題だからこそ
テキトーに読み流しがちなのが
この手のサービス。その邪念にとらわれずに
たまたま真剣に読む。
と、ミラクル3連発をかまさなきゃいけません。
さすがに、正直、確率論的に非現実的ですね。。。
だからこそ、『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』は、指導者にこそ読んでほしいのです。
指導者が読んで、そのトークを使いこなせるようになれば
もしくは、今頃生徒もAmazonに登録してることなんて珍しくないので、指導者から、「真剣に」読むのを勧めることができれば
救われる人間がいるはずなので。
それこそ「学習者」が読みに行くことなんか、このブログを読んでくださってるそこのアナタくらいしか、無い気が。。。。
蛇足:個人的な決意
『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』は、ぶっちゃけ、そこまで有名な教材じゃないと思います。(ごめんなさい仲本先生)
話変わりますが、「品詞？文型？知らねえよそんなの？」と、無謀な勉強を続けて、そしてどうしようもない成果を生み出し、自己責任だと切り捨てられてしまう人間も、山ほどいると思います。
こういう、"陰"にこそ、光を当てていきたい。
それで救われる人間がいるのであれば。
陰glish BLOG、どうぞ、よろしくお願いいたします。
熱い自分語りををぶちかましながら、浅ましくKindleunlimitedのリンクを張りつつ、『仲本の「壁」を突破する英文法完全速習講義』の「電子じゃない書籍」での再販を祈り、筆を置かさせて頂きます。
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Noteもやっています。
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